ZeroTierでMikroTikを管理する方法
概要
ZeroTierはリモートのMikroTik機器を公開IPや複雑なVPNなしで到達可能にする安全なP2P仮想LANを作成します。本ガイドはインストール、統合、サブネットルーティング、運用のヒントを解説します。
ZeroTierを使ったリモートMikroTik管理
ZeroTierは地球規模に広がるLANのように感じられます。
暗号化されたピアツーピア接続を構築し、各メンバーに内部IPを付与します。
公開IPは不要。
面倒なポート転送も不要。
重たいPKIも不要。
このガイドではMikroTikをZeroTierネットワークに接続し、ローカルサービスを安全に公開する実践的な手順を紹介します。
ZeroTierとは何か?
ZeroTierはVPN、P2P、SD-WANを融合した仮想ネットワークプラットフォームです。
各ノードに仮想インターフェース(通常は zt0)を作成します。
ノードはネットワークIDでネットワークに参加します。
メンバーにはプライベートIPが割り当てられ、安全に通信します。
プラネット/ムーンサーバは探索の補助のみを担当。
トラフィックは可能な限りピアツーピアです。
ZeroTierの仕組み(概要)
- コントローラー(ネットワーク): my.zerotier.comまたは独自コントローラーでネットワークを作成・管理。
- ピア: ZeroTierクライアントを実行しネットワーク参加するデバイス。
- プラネット/ムーン: 発見と中継の支援サーバ(公開またはセルフホスト)。
ZeroTierはNAT越えを自動処理します。
認証は管理者がウェブコンソールで新規ピアを承認します。
セキュリティモデル
ZeroTierはCurve25519など最新の暗号(認証付き一時鍵)を使います。
各ノードは鍵ペアと40ビットのハードウェア風アドレスを持ちます。
管理者はどのピアが参加可能か制御します。
パブリックコントローラー上でもトラフィックを復号しません。
注意: 完全な運用独立性が必要なら独自コントローラー/ムーンをホストしてください。
簡単セットアップ(サーバー・デスクトップ)
-
https://my.zerotier.comでアカウントとネットワークを作成。 -
ネットワークIDを控える(例:
8056c2e21c000001)。 -
LinuxサーバやVPSにクライアントをインストール:
curl -s https://install.zerotier.com | sudo bashsudo zerotier-cli join 8056c2e21c000001sudo zerotier-cli listnetworks-
ウェブコンソールで新ノードを承認(Auth? トグルを切り替え)。
-
zerotier-cli listnetworksで内部IPを確認。
簡単です。
MikroTikにZeroTierをインストール(RouterOS 7.5以降)
MikroTikはRouterOS 7.x用の公式ZeroTierパッケージを提供しています。
手順:
-
mikrotik.comから対応する
zerotier-7.x-<arch>.npkをダウンロード。 -
.npkをルーターのファイルにアップロードし再起動。 -
ZeroTierインターフェースを作成しネットワークに参加:
/interface zerotier add name=zt1 network=8056c2e21c000001/interface zerotier print- ZeroTierウェブコンソールでMikroTikを承認。
statusが connectedなら、ルーターはTailnetに参加しています。
ヒント: RouterOSアップグレード後はZeroTierパッケージも更新してください。
ローカルサブネットの広告とルーティング
ルーターのLAN内デバイスをZeroTier経由で到達可能にしたい場合は、ルートやNATルールを追加します。
方法A — LANのルーティング(可能なら推奨)
MikroTikでローカルサブネットをルートとして告知し転送を許可:
/ip route add dst-address=192.168.88.0/24 gateway=zt1/ip firewall filter add chain=forward src-address=192.168.88.0/24 dst-address=!192.168.88.0/24 action=acceptZeroTierピアがこのルートを知るように設定(コントローラー経由の告知や設定での承認)。
方法B — 特定サービスへのdst-nat(限定的かつ安全)
ZeroTierのIP/ポートを内部ホストにマッピング:
/ip firewall nat add chain=dstnat protocol=tcp dst-port=8081 \ action=dst-nat to-addresses=192.168.88.10 to-ports=80他のピアから http://<zerotier-ip>:8081 でアクセス可能。
警告: 必要なサービスのみ公開し、広範なルート公開はアクセスを厳密に管理しない限り避けてください。
運用の便利なヒント
- サイトLANで重複しないプライベートサブネットを選び、ルーティング競合を避ける。
- ZeroTierコンソールで説明的な名前を付けてルーターを管理。
- タグやACLでノードをグループ化しアクセス制御を簡素化。
- 接続トラブルは
zerotier-cli出力やRouterOSログで監視。
よくある問題のトラブルシューティング
- ノードが
REQUESTING_CONFIGURATIONで止まる: コントローラー到達とノード承認を確認。 - ピアツーピア経路なし: DERP中継がトラフィックを代理。性能を確認し、必要ならセルフホストムーンも検討。
- ローカルLANとIP競合: ZeroTier割当範囲かローカルLANのどちらかを変更。
他のソリューションとの比較
| ソリューション | 公開IP必須 | 利便性 | 適した用途 |
|---|---|---|---|
| ZeroTier | いいえ | 非常に簡単 | クイックメッシュ、NAT背後のリモート機器 |
| Tailscale | いいえ | 非常に簡単 | ID基盤のコントロールプレーン、チーム向け |
| WireGuard(手動) | 場合による | 中程度 | 高速パフォーマンス、DIYセットアップ向け |
| OpenVPN / IPSec | 場合による | 複雑 | レガシー互換、PKI管理 |
ZeroTierを選ぶべき時
- 多数デバイスにまたがる速く摩擦の少ないメッシュが必要な場合。
- CGNAT背後の機器に公開IPなしで到達したい場合。
- ピアツーピアとリレーを併用可能なUIフレンドリーなハイブリッドを求める場合。
企業SSOに連動した厳格なID基盤ACLが必要ならTailscaleを検討してください。
MKControllerが役立つ場面: 大規模MikroTikチーム向けに、MKControllerのNATCloudがリモートアクセスと監視を集中管理し、個別機器のネットワーク作業負担を減らしつつ統制と可視化を確保します。
結論
ZeroTierはリモート管理の障壁を大きく軽減します。
高速で安全、混在環境にも適しています。
RouterOSコマンド数回でMikroTikを接続し内部サービスに安全にアクセス可能です。
まずは小規模から:ルーター承認、一つのサービス公開、次にルートとACL拡張へ進みましょう。
MKControllerについて
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